キャッチボールで世界を平和に!
認定特定非営利活動法人アフリカ野球友の会
活動エリア | 日本、アフリカ各国 |
---|
ジャンル | 国際協力 学術・文化・芸術・スポーツ |
---|
「キャッチボールで世界を平和に!」をスローガンに、野球という日本人にとっては身近なスポーツを通じてアフリカの国々との国際交流・社会貢献を進める活動をしています。キャッチボールは、ボールを投げる・受けるという動作を通じて自然と相手とのコミュニケーションを図ることができます。国際交流の基本はコミュニケーションを通じて相互理解をまず図ることにあります。アフリカといった遠い国々の人々とも身近な野球を通じて、キャッチボールを通じて相互理解を深めることができるのです。
日本国内では、在日アフリカ人のための草野球チーム「アフリカオールスターズ」の活動を通じて老若男女・国籍・野球の経験の有無を問わず誰もが楽しめる草の根国際交流の場を提供しています。また中古の野球道具の寄附を日本で募り、道具不足により野球がやりたくてもできないアフリカの子どもたちに寄贈する活動も行っています。
1999年9月、南アフリカ共和国のヨハネスブルグで行われたシドニーオリンピックの野球アフリカ最終予選で、史上初めて準決勝まで勝ち進んだガーナ・ナショナル野球チーム。そのチームを代表監督として率いていたのが、当時仕事の関係でガーナに赴任していた現アフリカ野球友の会代表の友成晋也です。貧困にあえぐ若者たちが、毎日歯を食いしばってグラウンドにやってくる。それは、野球が彼らの「生きがい」や「喜び」になっているからでした。野球の魅力、可能性を再発見した経験でした。
オリンピック予選終了時、アフリカ野球連盟の会長から、友成が受け取った一通の手紙。そこには、「日本で『FRIEND OF AFRICAN BASEBALL』という名の団体を設立し、アフリカ野球とのかかわりを持ち続けてほしい」と書かれていました。アフリカに野球を、という声です。希望の見えない毎日に、一筋の光のように野球があった。みんなの笑顔が輝いていた。その光が消えないように日本から応援してほしい。そんな願いを受けて「アフリカ野球友の会」が設立されたのです。
アフリカではサッカーが主流で野球なんて必要ないのでは?というご意見をよく耳にします。それは全くの逆で、アフリカではサッカーばかりが主流で他のスポーツの選択肢がないことの方が問題です。日本では子どもたちは自由にいろいろなスポーツを楽しむことができますが、アフリカの子どもたちにはサッカーしかありません。選択肢が無かったそんな子どもたちが野球に触れ、野球の楽しさを知り、野球が彼らの生きがいや喜びになっていく姿を見ることが一番の遣り甲斐です。以前友成から野球の指導を受けていたガーナの子どもの1人が彼に言いました。「僕はバッターボックスが好きだ」と。バッターボックスに立つと敵も味方もみんなが僕を注目し応援してくれて、僕がヒーローになれるチャンスがそこにある。そしてそのチャンスが順番に公平に回ってくる。野球は民主的で平等なスポーツだ。だから野球が大好きだし明日も野球がしたいんだ。そんな思いを感じる子どもたちをアフリカで1人でも多く増やしていくことが当会の活動の意義だと思っています。
SFTの取り組みに象徴されるように、東京オリンピック開催に向けてスポーツを通じた国際貢献に対しての日本の役割がますます重要になっています。アフリカ野球友の会がその設立以来取り組んできたことが今まさに大きな流れとなって動き始めています。近くでは野球・ソフトボールのオリンピック競技復活、長期的にはアフリカでの野球産業振興を目的とした野球普及を目指し、オールジャパンで取り組むことになる国際的野球普及振興活動でアフリカ野球友の会は様々な主体を機能的に繋ぎサポートするボランチ役として機能していくことを目標に活動していきます。
アフリカ野球友の会は、野球とアフリカという切り口から国際交流・社会貢献活動を行っています。アフリカに興味がある、国際交流ボランティア活動に携わってみたい、野球の経験がある、等々、いろいろな入り口から活動に参加できます。また当会は常任スタッフを置かず、社会人・学生が本業の傍ら自主的に参加し活動を運営しています。ご興味のある方は東京の神宮外苑軟式野球場で定期的(月1-2回程度)に行っているアフリカオールスターズの練習にお気軽にご参加下さい。身近な草の根国際交流を体験し、きっと当会の活動へのご理解を深められるかと思います。
取材者のコメント | |
---|---|
古川勇樹 | スポーツと言えばサッカーというアフリカの国々だからこそ、野球という新しい選択肢が増えることで生きがいや喜びを見つける子供たちがいるというお話が印象的だった。守備の役割分担がかなり明確に決まっていたり、全員が順番にバッターボックスに立ったりと、野球は一人ひとりのチームへの貢献が分かりやすく、チームのために自分の役割を果たすというチーム意識の醸成にはもってこいのスポーツであるといえる。アフリカに野球が普及すれば、野球のチームプレイの精神が国作りや地域社会の発展につながるかもしれないし、ナショナルチームが活躍すれば人々に希望と活力を与えるだろう。その陰に日本の支援があることを誇らしく思う。 |
団体・プロジェクトの概要 | |
---|---|
代表者 | 友成 晋也 |
住所 | 東京都世田谷区松原5-25-21 |
TEL/FAX | TEL: 03-6379-2855/FAX: 03-6277-3812 |
お問い合せ | afab@catchball.net |
URL | http://www.catchball.net/ |
主な受賞歴や実績
■タンザニアにてSport for Tomorrow Cup開催
2020年東京オリンピック開催に向けて日本政府が推進するスポーツを通じた国際貢献事業のSport for Tomorrow (SFT)。アフリカ野球友の会が進めてきた東アフリカ・タンザニア共和国での野球振興普及活動がそのSFTの委託事業第一号案件として認定され、2014年12月にタンザニア国内高校野球大会を「Sport for Tomorrow Cup」として開催。さらに大会参加チームから選抜したタンザニア代表メンバーがU-18ワールドカップアフリカ予選に参加。当会代表友成が監督として率いた代表チームは大会3位と健闘。
■アフリカ野球少年少女日本招聘プロジェクト
・2004年8月に東アフリカ・ウガンダ共和国から少年少女野球チーム総勢11名を日本に招待し、2週間にわたり千葉・群馬・長野・大阪の各地で野球を通じた市民レベルの国際交流イベントを実施。その後当時の来日メンバーの一人、ポール・ワフラ選手が日本でプロ野球選手になるという夢を果たし、2013年から関西のプロ野球独立リーグ・兵庫ブルーサンダーズで選手としてプレー。
・2009年8月に西アフリカ・ブルキナファソから野球少年少女12名を日本に招待し、千葉・横浜・北海道の各地で市民交流活動を実施。
■アフリカ三角ベース普及プロジェクト
ゴムボール1つで遊べる道具不要の野球ゲーム「三角ベース」を、アフリカでの野球文化普及の目的でアフリカ各国に紹介。当会メンバーを指導者として派遣し、小中学校を中心に普及活動を展開(2005年ウガンダ、2006年ガーナ・ザンビア・南アフリカ、2008年ケニア)。経済的・安全・ジェンダーフリーなど、三角ベースが持つ側面が学校関係者から高評価を受ける。