オーガニックコットンでコットン産業の負の側面に切り込む
特定非営利活動法人 日本オーガニックコットン流通機構
活動エリア | 全国 |
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ジャンル | 医療・福祉 国際協力 教育・学習支援 消費者保護 環境全般 自然保護 起業支援 |
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オーガニックコットンは、一般の綿花栽培で大量に使われる農薬に対してその自然環境面の害やそこで働く農業者への害について問題提起しています。農薬を一切使わない、遺伝子組み換えの種は使わない、という規制のほか、フェアトレードが守られていることが証明された原料(主に紡績糸)をオーガニックコットンと呼びます。当NPOは、輸入、生産、販売を行う企業のメンバー制にして製品を認定しています。
1993年にオーガニックコットンの普及活動を始めた時、一般の綿とオーガニックの綿が混じった場合、製品になった後からその混率を調べられるかどうか繊維の専門機関に相談に行きました。同種の繊維は、混じったらその混率を証明することは不可能と云う結論を聞いて、一切交じりのない100%オーガニックコットンの製品の普及に限定しようと決めました。
そして、この純粋を求める製品に同意するメーカー各社と会員組織を作りました。現在80社の会員と活動しています。製品ごとの認定証明書の発行、認定ラベルの発行を行っています。
オーガニックコットンは、従来の綿花の栽培方法、製品の生産方法の問題、綿花の農業者や工場で働く人々の待遇の問題を解決する方法として考えられた産物です。コットン産業の市場規模は余りに巨大で、オーガニックコットンの商品供給力は、正に大河の一滴です。ただ、その方向性は間違っておらず、主流の企業に影響しています。昨今、大手アパレル企業も環境保全やフェアトレードのエシカルテーマを採り入れないと成り立たない時代になっています。アパレル業界に「良心をまとう」という新しい価値観をこの20年牽引してきたと自負しています。
オーガニックコットンの業界は2010年までに綿花生産量の10%(200万トン)を達成するという目標を持っていましたが、有力産地だったシリアの内戦、遺伝子組み換え種の蔓延などマイナス要素が重なり、1%もゆかず0.7%程度に甘んじています。生産量が増えないと生産効率が上がらず、コストダウンが出来ないため、コスト高の商品になり、普及が進みません。オーガニックコットンの意義を多くの方々が知って、消費が進むことを願っています。
オーガニックコットンという商品の価値は、どの面から見ても美しく輝いています。
畑から最終製品まで一つながりの流通の中で行われている点を真近かで見て頂きたいと
思います。この考え方が気に入ったら、一緒に普及させる力になって頂きたいと思います。
取材者のコメント | |
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古川勇樹 | 私たちが安価で高品質の衣料品を利用できるのは、自然環境や遠く離れた地で労働に従事する生産者の人たちに大きな負担をかけているからであるというお話がとても印象的だった。オーガニックコットンと聞くと、身に付ける人の肌にやさしいコットン生地なのかと思う人もまだまだ多いのではないだろうか。「良心をまとう」という表現をされていたが、オーガニックコットンの製品を購入し使用することは、自然環境に配慮し、製品の生産に関わる労働者の人の生活や健康に配慮し、そのためのコストを負担するという意思の表明になるのだと思った。 |
団体・プロジェクトの概要 | |
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代表者 | 宮嵜道男 |
住所 | 東京都千代田区神田須田町1-2 山房ビル2F |
TEL/FAX | 03-3526-6616 / 03-6206-4516 |
お問い合せ | miyazaki@noc-cotton.org |
URL | http://www.noc-cotton.org |
主な受賞歴や実績
出版「オーガニックコットン物語」著者宮﨑道男 出版社コモンズ