「みんな」にとって必要な認知症予防を
特定非営利活動法人認知症予防ネット
活動エリア | 日本国内及び韓国 |
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ジャンル | 医療・福祉 |
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認知症を発症した方々の脳活性化訓練として、様々なゲームやレクレーション、書道や絵画教室なども実施されている認知症予防教室を全国に拡げています。
現理事長・髙林實結樹の母親が認知症であったことと、本人には病識があり、痛切に直りたいと願っていたにもかかわらず、「本人には病識はない」という誤った概念が社会通念で、認知症を予防したいという願いは受け入れられず、まるで異端者のような孤立感を感じていました。母親の没後(1983年)は在宅介護体験に基づいて、認知症在宅介護家族へのボランティア活動をはじめ、1993年に、静岡県で創設された認知症を早期でくいとめる教室「高齢者リフレッシュセンタースリーA」の成果を知って感銘を受けました。認知症を発症した方々の脳活性化訓練として、様々なゲームやレクレーション、書道や絵画教室なども実施されているこの認知症予防教室を全国に拡げたいと念願し、会う人ごとに語り伝える個人広報活動を始めました。その約10年後に、任意団体「痴呆予防教室を拡げるネットワーク」を結成。2004年にはNPO法人痴呆予防ネットを立ち上げ、2005年に認知症予防ネットと名称変更をしました。。2008年には「高齢者リフレッシュセンタースリーA」で実施されている種々の脳活性化訓練の中から、医療や介護の資格のない者でもできる「ゲーム」を特化し、ゲーム一つずつの意義効能を分析し、20種類のゲームを体系化し、テキスト化しました。
その2年後に静岡市で行われていた研修会受講を許されて初めて参加、講義用のゲーム進行を実見し、自信を強くし、このゲームを津々浦々にポストの数ほど広めようと決意しました。
予防教室やサロン、予防ゲームのリーダー養成講座を通じて感じる最大の喜びは、認知症に入った人達が改善の兆しを見せられる瞬間、またはリズム感を失って認知症に近づきつつある人達が、リズムに乗れるように変化される瞬間に立ち会えることが最高の喜びです。
認知症予防ゲームは認知症だけに効果があるのではなく、ストレスの多い介護家族、脳梗塞の後遺症に悩む人、または精神疾患で出口の見えない人、又は登校拒否で学校の保健室に毎日通学している子ども達、また東日本大震災で、打ちのめされて再起不能のように落ち込んでいる人達も元気な笑顔を取り戻されています。このように「みんな」に有効なゲームという意味からゲームの名称を「みんなの認知症予防ゲーム」と称している。このゲームのリーダーを大勢養成して、きたるべき2025年問題に寄与したい、これが目標です。また、このゲームは参加者や高齢者の経験や智恵、リーダーの観察力、機転、工夫、経験が一体化し、「みんな」の協働作品として昇華し続けより幅広く、奥深くなっていくものと思います。
元気のない方たちに「生きていて良かった」「ここに来てよかった」と思って欲しいと願っている方ならば誰でも「みんなの認知症予防ゲーム」のリーダーになれます。各地で開催されているリーダー養成講座にご参加ください。厚生労働省の「平成16年度老人保健健康増進等事業」による『痴呆(認知症)予防教室(増田方式)に関する調査研究報告書』でゲームの効果が数字で表されています。MCIレベルに揃えた教室では、87.3%の人がMMSEで平均2.76点アップする、生活面の著しい改善が見られると、報告されています。この報告書の価値は無比のものと考えます。
取材者のコメント | |
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古川 勇樹 |
一人の方の実体験を元に、その体験を他でも活かしていこうとする活動を展開している。認知症というものを恐れてネガティブに考えるのではなく、認知症に対して予防していこうという発想により、歳を重ねてからも生活する人々に元気を与えることが出来るのだ。高齢化社会である日本において、ただ歳を重ねながら病を恐れるのではなく、認知症を予防して歳を重ねてからも健康的に生きていくことが出来る活動は重要なものであり、一人一人の生き方を良いほうへと支えてくれ、今後も引き続き様々な人の助けになる活動だろう。 |
団体・プロジェクトの概要 | |
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代表者 | 髙林實結樹 |
住所 |
京都府宇治市広野町一里山15番地の10 |
TEL/FAX | 0774-45-2835 |
お問い合せ | npo@n-yobo.net |
URL | http://www.n-yobo.net/ |
主な受賞歴や実績
認知症予防教室を全国に広げる活動に取り組んでいる。