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公益財団法人 紙の博物館

東京都

身近な紙を見直し、新たな発見を!

団体名・プロジェクト名

公益財団法人 紙の博物館

公益財団法人 紙の博物館の写真

活動エリア 東京都北区
ジャンル 学術・文化・芸術・スポーツ 教育・学習支援 

主な受賞歴や実績

日本の洋紙発祥の地王子にある、世界有数の紙専門の博物館です。紙に関する資料の収集、保存、展示や紙すき体験などのワークショップ等を行っています。

この活動について教えて下さい

紙の博物館は、和紙、洋紙を問わず、紙に関する資料を幅広く収集・保存・展示する世界有数の紙専門の博物館です。常設展示には、紙の原料・製造工程や紙製品などを紹介する第1展示室、紙の基礎からリサイクル・環境問題まで、体験的に楽しく学べる子ども向けの第2展示室、紙の誕生から和紙・洋紙の歴史、紙の工芸品などを紹介する第3展示室があり、いつでもご見学いただけます。その他に、紙に関するバラエティに富んだ企画展を開催しています(年3~4回程度)。

展示の他にも、講習会や実演会、ワークショップなど、さまざまなイベントを行っていますが、毎週土・日曜日に実施される「紙すき教室」は、牛乳パックの再生原料から、透かしやモミジなどを入れたオリジナルのハガキを作る、人気の催しです。お一人10分弱でハガキが完成しますが、この短い時間に、紙とは何か、どのように作るのか、紙のリサイクルのしくみはどうなっているのか、などをギュっと凝縮して体験できます。実は、使用する道具や機材は全て、製紙会社を勤め上げたボランティア指導員の手作りで、さまざまな工夫がなされており、年齢を問わず楽しめます。

どうしてこの活動をはじめたんですか?

紙の博物館の立地する「王子」という土地は、日本の洋紙発祥の地といわれます。それは、明治8年(1875)に日本の資本主義の父と言われる渋沢栄一の提唱で作られた「抄紙会社」(後の王子製紙王子工場)が開業したことをきっかけに、その後周辺に製紙会社をはじめ、関連する会社が数多く作られ、発展したことに由来します。王子周辺は第二次世界大戦末期に空襲を受け、王子製紙王子工場も壊滅的な被害を被り、工場は廃止されました。

その後昭和24年(1949)に戦後の占領政策に基づく過度経済力集中排除法により、日本の製紙産業をリードしてきた王子製紙が、苫小牧製紙・十條製紙・本州製紙の3社に分割されることになりましたが、それまでに収集されていた貴重な手すき和紙の標本や和洋紙文献・資料などを整理・保存し、一般に公開して社会教育に貢献することを目的とした記念館を設立することとなりました。そして奇跡的に焼け残った王子工場の電気室の建物を利用して、昭和25年(1950)に当館の前身「製紙記念館」が開館しました。

この活動の遣り甲斐や喜びはどんなときに感じますか

朝起きてから夜寝るまでの生活を思い起こしてみても、紙なしでは一日も過ごせない程、紙は私たちにとって身近な存在ですが、意外に知らないことばかりではないでしょうか。例えば、紙は木から作られることはご存じでも、現在日本で生産されている紙は、実は6割以上が古紙を原料としていると言うと驚かれます。紙づくりはリサイクルの進んだ、環境にやさしい産業であることや、さまざまな紙の不思議や魅力を知ってもらい、紙に興味を持っていただけると、大変うれしく思います。

今後の夢と目標を教えてください

昨年(2014年)、「和紙:日本の手漉和紙技術」がユネスコ無形文化遺産に登録されました。昔に比べると、日常生活の中で和紙に触れる機会は随分減ってしまいましたが、和紙、そして和紙が育んできた日本の文化のすばらしさや奥深さを私たち自身が改めて知ることで、暮らしの中に和紙を取り入れてみたり、伝統的な手すき和紙技術の伝承や後継者育成などに関心を持っていただくための一助となりたいと思います。

この活動に参加してみたいと思う人にひと言

紙という、とても身近な素材を見直すことで、新たな発見があるはずです。展示やイベント、さまざまな活動を通して、人・モノ・情報などの交流の場として、ぜひお気軽にご利用ください。

取材者のコメント
古川勇樹 製紙業の町王子ならではの、紙についてあらゆる角度から知ることができる博物館である。紙について、原料や種類や使用方法、製造方法、それらの歴史やワークショップまで、大変充実した内容が揃っている。展示のラインナップを伺い、紙という対象は、私たちの生活のあらゆる場面に溶け込んだ身近な存在でありながら、日本の気候風土や伝統、ものづくりや環境問題までを考える入口にもなるのだな、と考えさせられた。こちらの博物館は、子供たちはもちろん、大人が訪れても新しい発見に知的好奇心を刺激される展示に出会えそうである。
団体・プロジェクトの概要
代表者 花田 心弘(館長)
住所 東京都北区王子1-1-3(飛鳥山公園内)
TEL/FAX TEL 03-3916-2320 / FAX 03-5907-7511
お問い合せ home@papermuseum.jp
URL http://www.papermuseum.jp