柿田川を中心に、生物多様性を考え、地域と連携しながら保全を行う
公益財団法人 柿田川みどりのトラスト
活動エリア | 静岡県駿東郡清水町および周辺地域 |
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ジャンル | 環境全般 自然保護 |
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当財団は、柿田川およびその周辺環境を保全し、後世の人たちにその貴重な自然を残すための活動を行っています。柿田川は町中を流れるたった1.2キロの小さな川ですが、今では失われてしまった陸地から川に至る連続した植生、絶滅危惧種を始めとする多くの生き物が生息する貴重な環境を今も残しています。
これらの環境を保全して行くために、行っている主な活動は、以下の通りです。
・土地買い上げ、借り上げによる環境の維持および開発の防止
・各種調査活動(水質、湧水量、動植物)
・湧水量減少対策(水源涵養地への植樹活動)
・外来種対策(水生外来植物の除去等)
・機関紙の定期的な発行
・観察会等の開催
・周辺監視活動(清水町よりの委託)等々
当時船員をしていた漆畑会長が自宅のある清水町に戻ってくると、幼少の頃慣れ親しんだ柿田川最上流部に重機が入り樹木を押し倒す風景の遭遇。このままでは柿田川が開発されてしまい慣れ親しんだ風景が無くなってしまうとの危機感から地元有志10名の方々と柿田川自然保護の会を1975年に設立し、柿田川とその周辺環境を守る活動を始めました。しかし、当時世間では高度成長期で開発が正義の時代。こんな川を守ってどうするんだと言う世間の強い風当たりを受け、役場への二十数回にわたる陳情も想うような成果が出ない状況に陥り、職場等で嫌がらせを受けたりと今では考えられない仕打ちに離脱する人も出たようです。しかし、いつか理解してもらえる日が来ると信じて活動を続け、偶然、朝日新聞社・森林文化協会による、「二十一世紀に残したい日本の自然百選」の募集を見つけ応募し、1983年に入選しました。ついで、1985年に環境庁(現環境省)が「名水百選」に「柿田川湧水群」を選定されると、柿田川が一躍有名になったことにより、不動産業者が、河畔林を切り倒す宅地開発を始めたので、これ以上の自然破壊を阻止すべく、1988年ナショナル・トラスト運動を開始。マスコミより運動が報道されると多くの募金が全国から寄せられるようになりました。現在に至るまで様々な苦難等を乗り越え、現在では行政も柿田川の重要性を認識していただき、外来種除去作業、水源涵養地への植樹活動等において協働で活動を行っています。
色々と大変な事もありますが、季節毎に出会える動植物、姿を変える景色に癒され大変と言うより柿田川に来ることにより心も体もリフレッシュ出来る所が魅力なのではと思います。
ナショナル・トラスト活動は後世にその環境を引き継いでゆく運動です。継続して行くためには、資金もそうなのですが運動を引き継いでゆく人も必要です。特に柿田川のある清水町在住の方々に目を向けてもらえるような活動もできればと思っています。
当財団では、活動を継続的に支えてくださる賛助会員の方、継続的なサポートは出来ないが活動資金や土地買い上げ費用に対するご寄附をしてくださる方、そして活動に参加したい方を募集しています。活動参加に当たり何か特別な事は必要ありません。継続して参加していただける方をお待ちしています。無理のない範囲でご協力いただければ幸いです。E-mail、電話等ご連絡いただければ詳し無いように関してご案内させていただきます。
取材者のコメント | |
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古川勇樹 |
柿田川周辺の絶滅危惧種をはじめとした、植生物の保護のため、周辺地域の土地の買い上げを行うなど、大変に積極的な活動をしている様子は驚く程の熱を持っている。 水質の調査はもちろん、湧水量対策なども行い、また、地域の関心を得るために、観察会や機関紙を発行し、周辺地域への意識向上の為の働きかけは、何より地元の環境を後世まで残したいという意気込みが伝わってくる。 「二十一世紀に残したい日本の自然百選」を守る、地元のパワーには心からの尊敬を感じてしまう団体である。 |
団体・プロジェクトの概要 | |
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代表者 | 漆畑 信昭 |
住所 | 静岡県駿東郡清水町伏見766 |
TEL/FAX | 055-975-5454/ 055-976-6996 |
お問い合せ | kakita_rv-trust@cy.tnc.ne.jp |
URL | http://www4.tokai.or.jp/kakita.rv-trust/ |
主な受賞歴や実績
柿田川およびその周辺環境を保全し、後世の人たちにその貴重な自然を残すための活動を行っています。