公益財団法人いづも財団

この活動について教えて下さい

１）公開講座…年５回程度公開講座を行い、出雲文化について学んでいただいています。内容については書籍としてまとめて出版いたします。　２）助成金…個人・団体による調査研究、無形（民俗）文化財・有形（民俗）文化財の保存修理、そして地域の活性化につながる活動への財政的な助成を毎年実施いたします。　３）会報の発行…年２回会員また会員以外でも希望者へ提供します。　４）ふるさとの森再生事業…島根県内各市町村に常緑広葉樹による多種多様な動植物を育む日本古来の森の再生を目指します。

どうしてこの活動をはじめたんですか？

出雲大社「平成の大遷宮」の記念事業の一環として、出雲大社により平成２３年９月に設立されました。

わが国は温暖な気候、豊かな自然に恵まれ、その長い歴史の営みの中で浄、明、正、直を重んじ、勤勉かつ「和」を尊しとする国民性を育み今日の日本国と日本人をつくり上げてきました。一方、明治維新以来急速に近代化が進み、ことに近年、物の豊かさや利便性を偏重した生活様式の急変がこれまで世界から賞讃されてきた素晴らしい国民性を変化させ、「日本人の心」の調和を乱す様々な社会問題が生じています。このような時代に生かされている私たちには、物と心が調和した伝統的なよき日本的生活様式と国民性を再生することが喫緊の課題です。

国際化が叫ばれてすでに久しくなりますが、真の国際化のためには、わが国や地域の歴史、文化の理解を十分に深め、その上でお互いの個性と相異を認め合うことが大切です。古来、わが国は外国の良いところは積極的に取り入れ活用しながらも、自国と地域の良さはしっかりと守り伝えることをよき伝統としてきました。従って、この国際化の時代にこそわが国の歴史や文化の理解を深め、先人たちの生きた証を未来へ繋ぐことが大切であり、そのために、しっかりとした地歩を固めていく必要があります。

「出雲」では、長い歴史の中で当地独特の魅力的な伝統文化が育まれてきました。７１２年に編纂された『古事記』や７２０年の『日本書紀』などに出雲神話が重要な存在感を持って描写され、今日なお語り継がれ祈り継がれてきています。また、７３３年に成立した『出雲国風土記』の世界の境地に今でもなお浸ることができる、ゆかしく懐かしさあふれる独特の地域性を有しています。

公益財団法人いづも財団はこれら貴重な自然風土や文化遺産を守り活用に努めるとともに、出雲大社をはじめ県内にある数々の神社仏閣の儀礼、祭事及び建物の保全や助成事業を通じて地域の再生と活性化に寄与します。また、よき日本の生活様式と国民性の生成涵養に努め、成果や情報を絶えず発信して、伝統文化の神髄を未来につなぐ橋渡しをする担い手になることをその使命とします。

この活動の遣り甲斐や喜びはどんなときに感じますか

年間５回程度公開講座を開いていますが、すべての講座へご参加頂いた方へは皆勤賞をお渡ししています。お忙しい中都合をつけて毎回参加して下さる方々が年々増えていくことは大変喜ばしく思っています。また地元で調査研究・地域活性化のために活動しているみなさんへ財政的補助を通じて、改めて島根県内で行われている活動や現状を知ることができるのは貴重なことだと思います。

今後の夢と目標を教えてください

永く輝かしい歴史を誇る当地方の文化遺産・伝統文化・自然・風土を見つめ直し、これに新たな光を当て、保全・育成・継承を図り、その成果を広く県内外に発信し、地域社会の一層の発展、活性化に役立つ様々な事業を実施していきます。

この活動に参加してみたいと思う人にひと言

当財団は、会員の皆様方からの会費や有志の皆様方よりの寄付で運営しています。上記の活動を効果的、かつ末永く展開するために、地元の方々をはじめ広く全国の皆様方にご入会賜り、絶大なるご支援・ご協力を頂きますようよろしくお願い申し上げます。