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NPO法人 人間中心設計推進機構(略称:HCD-Net)

東京都

使う喜びのある商品・サービスで、豊かな社会を目指す

団体名・プロジェクト名

NPO法人 人間中心設計推進機構(略称:HCD-Net)

NPO法人 人間中心設計推進機構(略称:HCD-Net)の写真

活動エリア 全国
ジャンル その他 

主な受賞歴や実績

2009年 人間中心設計(略:HCD)専門家認定制度の開始
2014年 HCDベストプラクティスアウォード制度の開始

この活動について教えて下さい

人間中心設計(略:HCD)に関して「教育」「規格化認定」「研究」「ビジネス支援」「広報社会化」の5つの事業部を設置し常時活動しています。2005年に設立され丁度10週年を迎えました。年間イベント数は約100件(のべ参加人数は3,000名)、会員総数は650名、賛助会員数55社です。認定した「HCD専門家」は402名となっています(データは全て2014年度のもの)。2013年からは、HCDに係るエンジニアや若年層を対象とした「HCDスペシャリスト」もスタートし、現在105名が認定されています。

産業界で広く人間中心のモノ・コトづくりを先導し顧客の欲求を満たす商品やサービスやシステムを造る人材であることを認定する「HCDの専門資格認定制度は、世界でも類がなく、先進的な取り組みです。現在まで400名を超える専門家が、メーカーのみならず、IT・ウェブサービスの業界やマーケティングの世界に至る広い範囲で活躍しています。専門家は、当機構内でセミナーの講師や「HCDベストプラクティスアウォード」の一次・二次審査員を努めるなど、日本におけるHCDの普及発展にも一役買っており、専門力を日々切磋琢磨しています。

どうしてこの活動をはじめたんですか?

HCD-Netは当初、製品のユーザビリティ(使いやすさ)の向上を目指してヒューマンインタフェース学会の中に発足した「ユーザビリティ評価研究部会」という専門家中心の会が母体となっています。ユーザビリティ評価などに従事する者が集まり、各社の事例紹介などを通じて、『製品やシステムをもっと使いやすくしたいがどう取り組んだら良いか分からない』『ユーザビリティ評価の結果を活かす方法は』などを議論したり情報交換を行ったりしました。その後ヒューマンインタフェース学会内で専門研究会への昇格を経て、2005年に独立し、NPO法人化しました。当時の代表者は10人余りが理事となり、仲間を集めながら活動領域を広げ、追求してきました。活動領域としては、インターネットの普及に伴い2010年頃より台頭してきたウェブサービス、モノの価値から使用価値へという変化に伴う「顧客経験のデザイン(ユーザエクスペリエンスデザイン)」の対応、などがあります。

この活動の遣り甲斐や喜びはどんなときに感じますか

人間中心とは「自分中心」という意味では無く「人が住む世界中心」という意味です。製品やサービスは、性能や機能など実利的な要求を満たすだけでは不十分であり、それを利用する者に「使い利用する喜び」を与えるものでなければなりません。利用者がモノやコトを愛することで愛着が湧き、モノを大事にしたりコトの共有を通じて良い影響を与えたりすることができます。またこれを通じて新たなつながりも生まれます。つまり言葉では無い、経験や体験を通じた真の意味での豊かな社会を実現できると信じます。HCDはそれを少しでも効果あるものとするための思想であり考え方です。

HCD専門家はさまざまな局面を通じてHCDサイクル(調査→顧客の要求の理解→解決策の開発→充足評価)を回しながら良いモノ・コトづくりに邁進しています。したがってこの成果として、ユーザーの喜ぶ様子が垣間見えた時、世の中に普及し長く親しまれた時に深い喜びを感じます。また、良い世の中を作りたいという目指す姿について、他の専門家領域の人と一致し連携や協働した時、ともに成し遂げた喜びを感じます。

今後の夢と目標を教えてください

現在はNPO法人ですので、今後はより社会的な問題にもコミットできるよう、社団法人化を目指します。理想は公益社団法人ですが、その手前には一般社団法人という形もあり得ます。その上で、社会の重要な課題をコミットし、人間中心の立場から解を発信していければと思います。直近の課題としては、ビジネスのより経営に近いところで、企業のビジネス支援を行い、また協働の場の醸成などへ関与しHCD-Netが媒介することでビジネスの成功にも貢献したいと思います。

この活動に参加してみたいと思う人にひと言

ユーザビリティやシステムエンジニアリング、デザイン、マーケティングに関わる人には、是非会員になっていただき、HCDサイクルを使ったモノ・コトづくりを普及活用させる活動へ参画して欲しいと思います。また、良いモノ・コトづくりに関わる諸団体の方々には是非連携の機会をきただきたいと思います。既に650名規模の組織であり年間100を超えるイベントを行っております。そのイベントを運営する事務局体制の整備が急務です。趣旨に賛同し裏方仕事である事務員も募集中です。

取材者のコメント
古川勇樹 商品に愛着をもち「使う喜び」を感じるというとき、実利的な効果効能だけでなく、その商品に込められたメッセージやライフスタイルの提案などを享受していることにも満足感を感じているいと思った。「使う喜び」のある商品に囲まれた暮らしを想像してみると、一日の中の一つ一つの行動から喜びを感じ、心が満たされた豊かな生活がイメージできる。翻って、身の回りを見てみると、実用性重視で機能が同じならば代替品でかまわないような商品や、使い勝手が悪く気が進まないけれど必要に迫られて使っている商品などが、まだまだ多いなと感じた。
団体・プロジェクトの概要
代表者 理事長:鱗原晴彦
住所 東京都千代田区麹町2−10−3 リ・ノウ麹町1F
TEL/FAX 080-5960-2776
お問い合せ secretariat@hcdnet.org
URL http://www.hcdnet.org