蔵王山腹の荒地にブナの森を再生する
特定非営利活動法人 蔵王のブナと水を守る会
活動エリア | 宮城県白石市南蔵王山麓 |
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ジャンル | 森林保全・緑化 |
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1986年に会を結成し、南蔵王中腹部に広がる荒地を広葉樹の森に復元する活動を行っています。ナショナル・トラスト運動により13.7haの荒地を買い取り、畑で育てた苗を植えてきました。現在は木が育ってきたため、木の成長を観察できるように自然観察路を整備し、誰もが自然に親しむことのできる空間もできました。
南蔵王一帯は、戦前はうっそうとしたブナの原生林でしたが、戦中は軍需物資として、戦後は開拓のために伐採され、中腹部には大きな荒地が広がりました。この一帯は標高が700mと高く自然環境が厳しいため、一度伐採されると元のブナ林に戻すのは非常に困難な所です。1986年に「自分たちでブナの森を守ろう!」との思いから地元の白石市民が立ち上がり、「蔵王のブナと水を守る会」を結成しました。最初の頃はブナの伐採反対運動が中心でしたが、伐採が沈静化したこともあり、会の活動は植林活動へと大きく変わりました。
植えた木が順調に育っていく過程を見るのが最高に嬉しいです。また、日常から離れ、森の中で活動するのは心が癒されます。
自然観察路が2015年6月にオープンしました。今までは植林活動に精一杯でしたが、今後は荒地が森に変わっていく遷移の過程も観察していきたいと思います。また、ツリーハウスづくりにもチャレンジします。ツリーハウスで遊びながら、子ども達や若い世代が自然への関心を持つことを期待しています。森づくりには長い年月がかかることから、今後は私たちの思いを引き継いでくれる人たちを育てていきたいと思っています。
森づくりの実戦部隊であるグリーンレンジャー(正会員)と、活動を支える賛助会員の2通りあります。森の中で活動したい(遊びたい)方は正会員、遠方の方や活動のできない方は賛助会員として参加しませんか!春の芽吹き、カタクリ、スミレの群生、コブシ、ヤマザクラ、エゴノキ、ヤマボウシ等の花々、四季折々に美しい自然が待っています。作業は自分の体力に合わせてできることをすればよいので、子どもから高齢の方までどなたでも参加できます。
取材者のコメント | |
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古川勇樹 | 蔵王の高地にある荒地をブナの森を再生するために、様々な困難を克服しながら、着実に一歩ずつ歩みを進めてこられた活動の歴史を大変興味深く伺った。植林が軌道に乗ったのちには、森が再生していく過程を観察できるよう自然観察路を整備されたと伺い、この森の将来の姿を見据えて活動されている様子が伝わってきた。豊かな原生林が人の手によって荒地となったが、その後また人の手によって森として再生していくこの場所は、自然と人間との関係について多くのことを教えてくれる、大変貴重な学習の場であると思った。 |
団体・プロジェクトの概要 | |
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代表者 | 理事長 白内恵美子 |
住所 | 宮城県白石市福岡蔵本字滝下102番地 |
TEL/FAX | 0224-25-3820 |
お問い合せ | mail@zao.org |
URL | http://www.zao.org |
主な受賞歴や実績
2002年 国土交通省地域づくり大賞「手作り郷土賞」受賞
2013年 まちづくり総務大臣表彰団体賞受賞