HOME > プロジェクト・団体の紹介 >特定非営利活動法人 新潟水辺の会

特定非営利活動法人 新潟水辺の会

東京都

記憶に残る美しい水辺を取り戻せ!
子どもたちを健やかに育む水都の復活を目指して

団体名・プロジェクト名

特定非営利活動法人 新潟水辺の会

特定非営利活動法人 新潟水辺の会の写真

活動エリア 国内
ジャンル 環境全般 自然保護 

主な受賞歴や実績

詳しくはコチラをご覧ください。
http://niigata-mizubenokai.org/about

この活動について教えて下さい

私たちは「記憶される美しい水辺の創造」を目標に活動を続けています。新潟はかつて水の都と呼ぶに相応しい環境だったんですね。美しい堀や自然の河川などです。そうした環境を取り戻すことを掲げています。活動自体は水辺を楽しむことも含まれています。また例えば信濃川においてサケを遡上させる活動も行っていますね。信濃川中流にある水力発電所のダムは魚道を設置してはいたのですが、ダムからの放流量が少なく、鮭が遡上するには足りませんでした。そこで放流量を増やしてもらったり、稚魚の放流を行う等した結果、遡上が確認されるようになりました。他にも水質環境調査、講演、カヌー・船外機船付きボートの乗船体験を行うなど、活動は多様です。

どうしてこの活動をはじめたんですか?

私達は、1987年に「新潟の水辺を考える会」として発足し、水辺ウォッチングから活動を始めました。もとは、新潟県内の水辺環境について考えるために宮崎駿監修・高畑勤監督の「柳川堀割物語」の上映会を開催したのがきっかけです。私たちの原点は、映画で感動したドブ川再生を楽しみながら、水の文化やまちづくりに取り組む「柳川市民のこだわり」です。そして2002年、より活動をしっかりさせるためにNPO法人になり、水辺環境の再生まちづくりや流域連携などに取り組む今に至るわけです。

この活動の遣り甲斐や喜びはどんなときに感じますか

NPOでも河川敷占用が可能になり、阿賀野川の古道である通船川の河川敷に船小屋を240万円もの募金で作りました。その後、新潟市がこの小屋の近くにトイレを作ってくれました。これでいつでもカヌーが利用しやすくなったのですが、小屋の半分を地元の万代高校のカヌー部にも提供しています。彼らも随分練習しやすくなりましたね。もちろん私たちもここをベースとして活動を展開することが可能になったわけです。この通船川はかつて全国でも五本指に入るほど汚れていた川でした。最近はかなり水質がきれいになり、カヌーもできるようになったんですね。いずれ泳げるほど綺麗になれば、子どもたちもより遊べると思います。こうした活動を展開する現場にいるというのは、喜ばしいことです。

今後の夢と目標を教えてください

水都・新潟の復活ですね。戦前までは、新潟は堀も川も美しく、水の都と呼ばれるに相応しい場所でした。でも今は、水質は悪化し、何より市民と水辺が切り離されてしまっています。護岸工事が進んだ結果、川辺からは土や草が失われ、落ちたら這い上がれない鋼矢板護岸等で川が危険な場所になり、市民、子どもたちが遊ぶことは困難になりました。
また、新潟市街地に近い鳥屋野潟をもっと活用できるようにしたいですね。昔は、水質がきれいで、泳げたり、ボートやヨット遊びが盛んでした。
子どもにもっと自然を体験させてあげたいのです。自然の中で遊ぶことによって、筋肉や脳が鍛えられ、“からだ”がつくられます。それは同じ鍛えるにしても建物の中だけでのものとは違うんですよ。健全なこころは、変化に富む自然の中での活動で育まれるんです。

この活動に参加してみたいと思う人にひと言

やっぱり若者に来て欲しいですね。我々の活動も28年続き、高齢化も進んでいます。一方で若い方も少しずつですが、入ってくれてもいます。もっと来てくれると嬉しいです。とくに必要な資格とかはありません。自然が好き!という気持ちがあれば大丈夫です。今、越後平野も「米工場化」されてしまい、トンボもカエルも住めない平野になってしまいました。子どもたちが通るような通学路まで除草剤がまかれてしまう始末です。そのような現状を改善させるために、いっしょに取り組めるといいですね。

取材者のコメント
加藤夏樹 今回インタビューを受けてくれたのは、同会代表を務める大熊孝先生だ。新潟大学名誉教授であり、河川工学・土木史の専門家でもある。そんな先生が、面白いことを教えてくれた。「川の定義をご存じですか?」と。従来の川の定義はこうだ。「河川とは、地表面に落下した雨や雪などの天水が集まり、海や湖などに注ぐ流れの筋(水路)などと、その流水とを含めた総称である。」と。しかし、大熊先生の定義は違う。
「川とは、地球における物質循環の重要な担い手であるとともに、人間にとって身近な自然で、恵みと災害という矛盾の中に、ゆっくりと時間をかけて、人の“からだ”と“こころ”をつくり、地域文化を育んできた存在である。」と。先生はさらに「人の“からだ”と“こころ”をつくり」という言葉は最近になってやっと付け加えたとのことである。そして最後にこう問いかける。「従来の定義だと、水は1年たてば必ず循環するので、川をコンクリートで護岸したり、ダムを造ることに良心の呵責を感じないように思いますが、いかがでしょうか?」と。人と川の関係性は、僕の知っていたものよりもずっと深いようだ。
(引用:同会HP連載「Dr.Big Bearの川講座『川とは?』」より。)
団体・プロジェクトの概要
代表者 大熊孝
住所 新潟市西区みずき野4-7-15
TEL/FAX 025-264-3191 /025-264-3260
URL http://niigata-mizubenokai.org