HOME > プロジェクト・団体の紹介 >NPO法人ASACカンボジアに学校を贈る会

NPO法人ASACカンボジアに学校を贈る会

東京都

カンボジアの人々に教育を!

団体名・プロジェクト名

NPO法人ASACカンボジアに学校を贈る会

NPO法人ASACカンボジアに学校を贈る会の写真

活動エリア カンボジア王国カンポット州、コンポンチャム州など
ジャンル 国際協力 

主な受賞歴や実績

1995年~2014年の20年間にカンボジアの136校の小・中学校に校舎を建設し、4000人以上の成人非識字者に読み・書き・計算を教えました。

この活動について教えて下さい

【学校建設】校舎がなくてお寺を借りている学校、校舎はあるけれどぼろぼろで雨が降ったら使えないような学校がたくさんありました。そういう学校から要望を受け、最も困っているところから一つ一つ校舎を建設してきました(大規模修理も含みます)。
この20年間、他団体とも並行して精力的に学校建設を進め、カンボジア政府の基準を満たす校舎を一つも持たない学校は少なくなってきました。
しかしカンボジアの学校の多くが2交代制であることを考えると、現在本格的には行われていない体育、音楽、図画工作なども含めて十分学べるようにするためには、教室も教師も足りないことが分かります。これまで教員室、図書室がなかった学校では、その設置の要望も強くなっています。
中学校の進学率も徐々に上がってきました。応急に開設したため、校舎がなく小学校を借りているところもあります。これらの対策は急務です。
校舎建設費用は、総費用を教室数でならすと平均13,000ドル(120円/ドルの場合156万円)です。たとえば3教室の場合39,000ドル(468万円)、4教室の場合52,000ドル(624万円)です。

【成人識字教育】ポルポト時代に学校に行けないまま大人になってしまった人々、貧しさのため学校を早くに中退してしまった人々が、様々な困難を抱えながら生活しています。意味もわからず借金の契約書にサインしてしまう、薬や農薬の注意書きがわからない、などなど。
私たちがそういう村で識字教室を開催できることになると、皆大きな期待をもって応募してきます。とはいっても昼間の労働の後に暗い夜道を半年間通い続けるのは簡単なことではありません。それでも読み書きできるようになりたい、という強い動機が支えとなり、夫に子どもの面倒を見てもらうなどの協力を得て学び通します。そのようにして修了した受講生の顔は自信をつけて輝き、次のステップを踏み出すことができるようになります。養豚、養鶏、縫製、小間物屋(村ではスーパー)、充電屋など新しい仕事を始めて、家計を安定させる人も次々に生まれています。教育の大切さを身をもって知り、子どもへの教育にも目を配れるようになります。
少しずつ、少しずつですが村が変わり始めています。

【図書支援】村の学校では教科書以外の本に接したことのない子どもたちがたくさんいます。村に書店などなく、もちろん家に本もありません。私たちが支援しているすべての学校に図書館・図書室を設置したいと思っていますが、すぐに実現できない学校には本棚+本のセットを届けるようにしています。届けに行って本の読み聞かせをすると、子どもたちは身を乗り出して食い入るように見つめ、終わると拍手をしてくれます。
6~7万円で本棚と約300冊のクメール語の本を買うことができます。支援している学校の中でまだ図書が全くないか、あっても数が少ない学校に順次届けています。

どうしてこの活動をはじめたんですか?

さかのぼること1992年。内戦終結後に国連暫定統治機構(UNTAC)会の創設者である岡村眞理子が選挙ボランティアの募集広告を見て、すかさず応募したことからすべては始まりました。約400日の活動で総選挙が成功裏に終わったことを見届けて、いったん帰国。間もなく再訪したカンボジアは内戦の傷跡深く、岡村は村の人々から「選挙もいいけど、学校が欲しい」と訴えられました。
さっそく学校建設がどうしたらできるか模索を始め、学校建設への協力を広くアピールし、1994年に会を立ち上げました。賛同の輪が急速に広がり、1995年3月に第1校目開校にこぎつけることができました。
岡村は2006年に亡くなりましたが、まだカンボジアでの教育支援が求められる状況であり、残ったメンバーは岡村の思いを引継ぎたいと、活動を続けています。

この活動の遣り甲斐や喜びはどんなときに感じますか

カンボジアの子どもたちの教育環境を良くするためには、足りないものがあり過ぎます。小はノート、ボールペン、クレヨン、画用紙、図書、スポーツ遊具から、大は教室、図書室、教員室までさまざま。その改善のために必要な資金のめどが立ち、日本の善意の橋渡しができるようになることがとても嬉しい時です。
それにも増してうれしいのは、校舎を長期にわたって良い状態で使い続けるために必要な補修費用を、学校と村の人々の話し合いで積み立てていくしくみができた、と聞いた時です。

今後の夢と目標を教えてください

カンボジアの全ての子どもたちが小学校を卒業できるようになること。
家が貧しいため家畜の世話や弟妹の面倒などで働かなければならず、小学校に行けなくなる子どもが4割ぐらいいると見られます。

この活動に参加してみたいと思う人にひと言

途上国の子どもたちのために何か役立ってあげたい、と思っても、参加のきっかけや詳しい情報を得られない方もいらっしゃるのではないでしょうか。
会員になってみませんか?賛助会員は年会費2,000円、正会員は入会費10,000円、年会10,00円です。隔月で会報をお届けします。今何が求められているかわかります。あなたのできることで力をお貸しください。

取材者のコメント
古川勇樹 カンボジアの全ての子どもたちが小学校を卒業できるようになることが目標と語るように、まだ世界には初等教育すら十分に受けることができない子どもがたくさんいる。その中で20年以上に渡り、カンボジアの教育環境を良くするために活動を続けてきた会の努力と熱い思いには、頭が下がる思いである。今後、ますます支援の輪が広がることが期待される。
団体・プロジェクトの概要
代表者 渡辺成子
住所 千葉県柏市千代田3-12-8-105
TEL/FAX 04-7167-6360
お問い合せ asac@asac.gr.jp
URL http://www.asac.gr.jp