特定非営利活動法人沖縄県ダイビング安全対策協議会

この活動について教えて下さい

スクーバダイビングにおける安全に関する普及啓発、環境保全活動、ダイビング事業に関わる人材育成が活動の三本柱です。一般の方々に伝えたいことといえば、ダイビング業界の常識は「世間の非常識」という事実。特に体験ダイビングなどで初めてスクーバを体験する方にはとくに参加するアクティビティーの精査をすることが必要であることを知ってほしいです。またアクティビティーの途中でも疑問を感じたらキャンセルする勇気を持ってほしい。スクーバダイビングというアクティビティーは生命維持装置を使用して楽しむアクティビティーであり、異常に安い価格で提供されるアクティビティーには安全を犠牲にしている可能性が高いという事実を知ってほしいと思います。

どうしてこの活動をはじめたんですか？

当会はそもそもおよそ30年ほど前、この頃だいぶポピュラーになってきたスクーバダイビングの安全啓発を目的に海上保安庁の指導で海のある各県に設置された任意団体が母体となっております。当時各県にあった同様の協議会は今日ほとんど消滅してしまいましたが、沖縄では綿々と受け継がれ、平成16年任意団体としての限界を感じNPO法人設立に至りました。きっかけは当時存在した沖縄県水上安全条例の形骸化と、当時全く機能していなかった県警の担当部署に変わって、ダイビング業界の安全に関する啓発を行い健全な育成をはかろうというモチベーションがNPO法人化するきっかけでした。

この活動の遣り甲斐や喜びはどんなときに感じますか

やりがいというよりも、むしろ最近は失望することのほうが多いですね。ダイビング業界の健全育成を目指しておりますが、県警や業界団体など抵抗勢力も大きく、なかなか目標を達成できずに悶々としているところです。
やりがいを感じるときといえば、やはり環境活動に関してでしょうか。毎年空港で海をテーマにした写真展を開催しておりますが、子供たちが熱心に鑑賞する姿や、はえ縄にかかって死んだウミガメの写真に涙する女性などを見るとやりがいを感じます。また定期的に行っている釣り糸撤去駆除なども当初は釣り人に白い目で見られてましたが、最近は共感してくれる方も増えてきて嬉しく思いますね。

今後の夢と目標を教えてください

しつこいようですがこの業界はまだまだ発展途上にあります。薄利多売の安全を無視したショップにお客さんが集まり、健全運営をめざすショップが駆逐される傾向にあります。またそのため若いインストラクターは安い賃金と不安定な雇用形態のまま使い回しにされ将来に明るい希望を見いだせないまま業界から離れていく方が多い。とにかくこの安全を無視した薄利多売競争が一切できないシステムを構築しなければなりません。ダイビングインストラクターという職業が子供達の憧れの職業になるような業界にしたい。そのためには末端のインストラクターの組合も構築していきたいと思います。

この活動に参加してみたいと思う人にひと言

ぜひ沖縄県内の全てのダイビング事業所が当会の趣旨に賛同していただき会員になってもらえたらと切に願います。
また一般ダイバーの方々にも一部の講習会やワークショップは公開しております。また適宜メールで情報発信もしておりますので、ぜひ会員になっていただけたらと思います。