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NPO法人桶仕込み保存会

東京都

木桶の文化を復活させたい!

団体名・プロジェクト名

NPO法人桶仕込み保存会

NPO法人桶仕込み保存会の写真

活動エリア 日本全国。世界へ向けても発信していきたい。
ジャンル 食・産業、漁業、林業 

主な受賞歴や実績

桶仕込みの保存のためのつなぎ役、情報のハブとして活動をしています。

この活動について教えて下さい

木桶の文化は戦後の高度経済成長に伴い急激に衰退し、今や絶滅寸前です。桶仕込みの保存は桶屋と蔵元だけでは解決できません。そこに消費者がいて成り立ちます。桶につながるすべての人をつなげ“桶ソサエティ”で解決することが必要です。そのためのつなぎ役、情報のハブとして活動をしています。
桶屋、蔵元をつなぐ活動として「桶熟」という勉強会を実施しています。微生物の専門家や、木材加工の専門家など様々な分野の研究者を講師に迎え桶について意見を交換します。現段階で桶に関しての資料が少ないため、勉強会の後の交流会も重要な情報交換の場となっています。

どうしてこの活動をはじめたんですか?

1994年に酒屋の大杜氏から桶はもう何十年も使われていないという事実を聞かされました。ならば木桶を復活させようと桶屋を探し回り奇跡的に新潟の桶屋にたどり着きました。新桶を3つ発注し、桶仕込みのお酒を復活させることができました。
その後その桶屋は弟子をとることなく店をたたんでしまいました。桶の発注がないから桶屋も弟子をとることができなかったのです。
当時私は「台風娘」のあだ名をつけられていたので風が吹けば桶屋が儲かるなら風を起こそう!と考えました。でも、1社だけが桶を発注しても抱えられる限度がありますし、桶の寿命は何十年もあるので桶屋が続くだけの仕事になりません。そこで日本全国の蔵元に声をかけ呼びかけ、勉強会をスタートさせました。すると桶仕込みを復活させる蔵元が30社ほど出てきたのです。
酒の業界では桶仕込みというのは50年前に絶滅していて情報がほとんどありませんでした。なので、情報を集め発信する必要があると考えました。そうしてNPO法人桶仕込み保存会は発足しました。近年は味噌屋や醤油屋などさらに広い分野での活動となっています。
本来桶は酒屋が使ったものを味噌や醤油屋が再利用するというサイクルがあります。ある時上田の味噌屋を訪ねた時、「酒屋がしっかりしてくれなきゃ俺たちが困るんだ。」と言われたことが大きな背中押しにもなりました。
底板は重くて一人では持ち上がりませんが力を合わせれば底力でなんとかなります。

この活動の遣り甲斐や喜びはどんなときに感じますか

桶について知れば知るほど昔の人の生活や知恵を垣間見ることができます。呼吸する桶には目には見えない微生物に溢れてその微生物を上手に活かして美味しい発酵食品を作り出していると思うとワクワクしてきます。ここには桶に関わる様々な人の浪漫があり、その浪漫に触れるとき喜びとやり甲斐を感じます。

今後の夢と目標を教えてください

桶で仕込むのとそうでないのとどう違うのかを科学的に証明すること。そして、桶仕込みというジャンルが確立され価値に見合った値段で市場に出せるようにと考えています。
また、桶の後継者が育つための制度をつくり、ゆくゆくは、原材料である杉の森林保全までしたいと考えています。

この活動に参加してみたいと思う人にひと言

醤油業界が最も桶仕込みが残っている業界と言われています。しかし、それでも生産量の1%未満です。2013年に和食が世界遺産に認定されました。和食の知名度は上がりますが、一方で和食が無くなる可能性があるということです。生きている文化として桶仕込みを残していくため、共に浪漫を追いかけてくださる方随時大募集中です!
合言葉はOKE,OK!

取材者のコメント
古川勇樹 メディアの影響か酒や味噌醤油など日本の発酵文化といえば、職人さんたちがはしごに登って大きな木桶をかき混ぜているイメージだったのだが、多くが木桶での製造をやめてしまっているということを知らなかった。今、和食は日本のみならず世界から注目されている文化であり、その材料である発酵食品は重要な立場にある。伝統技術は、もちろんイメージ戦略的にも必要だが、科学的に裏付けがあれば更にブランドとしての価値を高めることができる。草の根運動的にはなるのかもしれないが、経済面政治面でイマイチ存在感を発揮できていない日本において、文化面での注目を生かすことが、今後重要な鍵になるだろう。
団体・プロジェクトの概要
代表者 セーラ・マリ・カミングス
住所 長野県若穂保科4455
TEL/FAX 026-214-6282/026-214-6289
お問い合せ info@okeok.org
URL http://okeok.org/