「集落の存続」を!全国の過疎地のモデルに!
特定非営利活動法人十日町市地域おこし実行委員会
活動エリア | 新潟県十日町市、池谷・入山集落 |
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ジャンル | 地域活性化 観光 食・産業、漁業、林業 |
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現在5つの事業を行っています。①農産物直販事業 ②体験交流事業 ③移住促進事業 ④情報発信・農山魚村応援事業 ⑤地域復興支援員設置事業 の計5つです。1つめの農産物直販事業では稲作や野菜作りを行い、お米の直販や野菜の通販、加工品を外部に委託して作ってもらい、販売をしたりしています。
2つめの体験交流事業では週末に農業体験や雪国体験等ができる交流イベントを実施しています。
3つめの移住促進事業では十日町市から委託を受けて十日町市内への移住者を増やすための取組を行っています。さとナビというサイト(http://www.tsukurou-tokamachi.jp/)の管理を行い、空き家情報、体験交流イベント情報、インターンシップ受入情報、仕事情報、移住相談会情報を掲載しています。また、移住相談会にも出展し、田舎暮らしを考えている方への相談に乗ったりもしています。さらに、インターンシップという形で1ヶ月間~1年間のお試し移住の受入も行っています。
4つめの情報発信・農山漁村応援事業では私たちの取組は地域おこしの分野ではある程度の先進地として認識されており、視察や講演会で講師として招かれることがあります。そういった機会に自分たちの経験や自分たちが考える地域おこしの重要ポイントについて情報を発信する事で地域活性化に前向きな農山漁村の応援をしています。また、シンポジウムの開催や研修会の開催運営なども実施しており、こういった取組を通じて農山漁村で地域おこしの活動をする人達の応援をしています。
5つめの地域復興支援員設置事業では、中越大震災復興基金を財源とする「地域復興支援員」の十日町での活動母体なっています。地域復興支援員の取組としては中山間地の振興につながる様々な取組が行われています。
新潟県十日町市の中山間地に位置する池谷・入山集落では高度経済成長の流れによって全国各地の農村同様、過疎化がどんどん進展してきました。昭和30年代には池谷集落37世帯、入山集落15世帯が住んでいましたが、平成元年には入山集落は廃村、池谷集落も2004年の中越地震直前には8世帯にまで人口が減っていました。2004年10月23日の中越地震をきっかけに3世帯が集落を離れ、6世帯にまで減ってしまいました。残った集落の人達も「もう村をたたむしかない」とあきらめかけていましたが、中越地震以降、様々な団体や企業、個人からの支援を受け、6年間でのべ2000名を超えるボランティアが集落を訪れるようになりました。
そのような中、地元住民主体で立ち上げた任意団体「十日町市地域おこし実行委員会」がボランティアの受け入れ団体として震災復興の活動を行うようになりました。
震災復興が落ち着いてくると、その後は「集落の存続」を目標として、下記4つをテーマに地域おこしの活動を行って来ました。
・中山間地での営農生計の確立(米の直販・エコツーリズム・その他)
・後継者の育成・受入れ環境整備
・耕地・山林の維持・整備(中山間地機能維持)
・日本全体の問題(限界集落・食糧・環境)への挑戦
こうした活動を続ける中で、米の直販は順調に販売量を伸ばし、エコツーリズムでの交流人口も順調に増え、移り住んでくる人も出てきました。
今後後継者候補が池谷集落の方々の農地をスムーズに受け継ぎ、収入を得て長く住み続ける事ができるような仕組みを構築し、池谷集落の方々の老後の安心をサポートするための仕組みを構築して「集落の存続」を実現し、全国の過疎地のモデルになるような地域を作るために、「十日町市地域おこし実行委員会」をNPO法人として体制を整える事にし、2011年12月10日に設立総会を行いました。
NPO法人としては以下の理念を掲げて活動を行っています。
① 池谷・入山地区の集落と農業の継続を実現しつつ、全国の過疎の集落が抱えている集落存続問題の成功例を示す。
② 持続可能な新しい村づくりを実践し、循環型の社会モデルを目指し100年持続させる展望を示す。
③ 地元住民だけでなく地域外の関係者も含めて、新しい村づくりを進める。
④ 相互扶助と心豊かな社会実現を目指す。
食べ物を作ったり、家を作ったりと自分たちの取組みが目に見えて形になっていくとき。
自分の作った農産物がお客さんから「おいしかった」と言ってもらえたとき。
子供のはしゃぐ姿を見てお年寄りの方々が喜んでいるのを見たとき。
地に足がついた取組ができていてそれが一歩一歩前に進んでいると感じられるとき。
社会の問題と自分たちの活動がつながっていて、自分たちの活動によって社会に対して少しでも影響力をもたらす事が出来たと感じられるとき。
・「持続可能な集落モデル」を自ら体現している地域を作る
・都会からの農村の後継者の定住を促進させる
・全国に情報を発信し、「持続可能な集落」を増やす
・全国各地で都会と田舎が手を取り合って「持続可能な生活スタイル※」を送る事ができる社会を実現させる
※持続可能な生活スタイルとは以下の①~⑤が実現している状態と考える
①一定の範囲の地域内において生活に必要なもの(衣食住エネルギー)の循環・自給ができる
②楽しいコミュニティーがあり、顔が見える関係性がある
③外の地域とお金やモノのやり取りがある
④外の地域と継続的に人の行き来がある
⑤どの地域においてもある程度バランスの良い人口分布になっている
食料問題、環境問題、エネルギーの問題、格差の拡大の問題、現在の社会の制度疲労(年金、国の借金等)といった問題を解決して、自分や子供たちが生きていく社会をより暮らしやすい社会にしたい。
農山村での地に足のついた取組を大切にしつつ、将来の日本を作り替えていきたい。という方は是非私たちと一緒に一歩一歩活動をしていきましょう!
参加する形は何でもOKです。
① いきなり田舎暮らしはまだできないという方:都会に住みながらお米などの農産加工品を買ったり、体験交流イベントに参加したり、賛助会員に入ったり、寄付をしたり、ボランティアとして気が向いたときに手伝う事を通じて、私たちの取組みを側面的に応援する。
② 十日町で一緒に取り組む事に興味がある方:体験交流イベントに参加したり、インターンシップで短期間(1ヶ月間~1年間)お試し移住をしながら私たちの活動に触れたり、事務局スタッフの募集があるタイミングで応募し、メンバーとして一緒に活動に取り組む。
③ 既に田舎で何かしら活動をしている方:私たちが開催するシンポジウムや勉強会等に参加したり、自身で主催する講演会等に私たちを呼んで頂いたり、視察に来て頂く事等を通じて全国各地で地域活性化に向けた取組みを前に進めていく。
取材者のコメント | |
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古川勇樹 | 一度6世帯にまで減ってしまった集落が、地域おこし事業を通じて再興していく姿は、まず「すごい」という純粋な感想を持った。また、それが地域住民主体となって始まっているというところが重要なのではないか。なぜなら、別の地域から「地方を何とかしよう!」という情熱を持って人が来たとしても、結局地域住民の意識が同じ方向を向いていなければ、それはただの「ヨソモノ」で終わってしまうと思われるからだ。元からの住民と他の地域の関係者や居住者が協力してこそ、初めて持続可能な集落になりうる。その理想的なモデルとして、この地域団体の活動に今後注目していきたい。 |
団体・プロジェクトの概要 | |
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代表者 | 山本浩史 |
住所 | 新潟県十日町市中条庚939-2 |
TEL/FAX | 025-761-7009(FAX兼用) |
お問い合せ | chiikiokoshi@gmail.com |
URL | http://www.iketani.org/ |
主な受賞歴や実績
平成23年度 地域づくり総務大臣表彰
平成24年度 あしたのまち・くらしづくり活動賞「内閣官房長官賞」
平成25年度 がっとぎっとぐっと賞「ぐっと賞」
平成25年度 第14回住みよい町づくり妻有ショッピングセンター環境大賞「環境賞」
平成26年度 第5回地域再生大賞「特別賞」